電験三種を独学するとき一番良い参考書はなにか。
このページでは電験三種に独学で合格するためにはどのような参考書を選べば良いかを説明します。
結論から知りたい人は、ここではじめにいいます。
そんなものは人それぞれです。しかし、それではあんまりなので無難なものをお教えしますと、TACから出ている「みんなが欲しかった」シリーズが一番無難だと思います。私が受験していたときはこの本はありませんでした。少し前までは、「これだけ」シリーズが一番有名だったのですが、あまりにも古くなってきたのでおすすめできなくなりました。というわけで、結論は以下の通りです。
A.人それぞれ。しかし、あえて言うならTACの「みんなが欲しかった」シリーズ。
一応、Amazonのリンクを貼っておきます。本屋でもどこでも好きなところで買ってきてください。
電験三種の教材は中途半端だがそれでOK
結論を申したところで、電験のほとんどの教材は「中途半端である」ということを知って欲しいと思います。なぜなら、電験三種の範囲はめちゃくちゃ広いので、一科目一冊の本ではおさまりきらないからです。
つまり、「本当に理解したければ」高校の教科書と工業高校の教科書を買わないといけません(「合格したければ」という意味と同じ意味ではありません)。
しかし、それらの教科書は電験対策の本を読んでどうしてもわからなくなってから検討しましょう。
①高校の「物理基礎」「物理」「化学基礎」「化学」の教科書
②工業高校の「電気基礎」「電気機器」「電力技術」「電子回路」などの教科書
③いわゆる電験の受験対策本。
④過去問題集
「本当に理解する」とは電験三種を何度受けても全科目90点以上を取ることができるレベルのことです。合格するだけなら、そこまでの知識は不要です。むしろ、それをすると合格から遠ざかるので絶対にやめましょう。
最短距離で合格したければ「勉強のための勉強」をしてはいけません。「合格するための勉強」をしましょう。
電験三種の教材は中途半端な本で十分。なぜなら、完全な理解は不要だから。
ということで、初心者が独学用につかえそうな教材を教えます。
電験三種の数学の教材
まず、文系でsin,cosが全くわからないという人は電験の数学の本を買っておきましょう。電験は最低限の数学がわからないと学習時間が無駄になります。何年たっても受からない人は、数学と理論をおろそかにしている人が多いです。
そこで、「sin,cosがわからない」「微積がわからない」という人は数学の本を購入しておきましょう。
電験三種では微積は使わないのですが、数学が得意か不得意かを判断する大事な判断要素になります。
そこで、売れている順に電験の数学の本を紹介します。
四番目に電気工事士の本を紹介していますが、これでも十分です。
ここで、数学の本の使い方に関して注意点が一つあります!
はじめから、数学の本を読みこんでもいいのですが時間がもったいないです。
理論の教科書を読んでいて数学的な計算がわからなくなったら、数学の本に戻ることにしましょう。
電験三種の参考書をシリーズ別に紹介
以下では、本屋さんでよく見る電験三種の教材をシリーズ別に紹介していきます。
①「みんなが欲しかったシリーズ」:理解型+演習型の参考書。おすすめ度★★★★★
自分の受験時代にはなかった参考書。教科書と問題集をセパレートできるのが最大の特徴。厚いように思えるが、使ってみるとそこまで厚くない。理論を見た感じだと、必ず得点しないといけない
セパレートされた問題集は、いわゆる「15年過去問」を「20年過去問」にして出ない問題をガリガリけずっていったような内容になっている。本来ならこれだけで約2600円するのに、それにプラスして詳しいフルカラーの教科書とセットなのだから3000円は安いので買いだと思われる。新しい時代の教科書で、今後はこれがスタンダードな参考書になるだろうと予想される。
【使い方】インプット期には教科書と問題集を使い、直前期には問題集を何度もすると一気に合格が近づきそう。
②「これだけ」シリーズ:演習型の参考書。おすすめ度★★☆☆☆
昭和臭がする怪しいイラストが満載。私は、受験時代に一番初めはこれを使った。昔はネットで検索するとこれがわかりやすいなどと言われていた。受験生だった私はそれを信じて購入。ステップアップ方式といいつつ二段目で天空に飛ぶこともしばしば。「ラプラス変換」なる理系大学生が二年生で習う内容がはじめのほうで出てくる。「難しくても自分の気合いがたりないのだ!」と2週間かじりついて努力したが全く進まず挫折。合格後にも復習のために頻繁に使ったかというと使ってない。
文系初心者には厳しいと思う。良くも悪くも昔の参考書だと思われる。
【使い方】前から順に解きながら読み進める。わからないところはどんどん飛ばそう。
③「完全マスター 電験三種」シリーズ:知識羅列 おすすめ度★★★☆☆(辞書として)
受験界の本の中で一番詳しいと評判であるが、それは完全な嘘である。同社から出ている「合格一直線」という化け物のような本に比べればそこまで詳しいとは思えない。おそらく完全マスターは知識羅列型として詳しいだけなので、辞書的に使うのがいい。
【使い方】初心者がはじめからこの本で学習するには無駄が多すぎる。せめて重要度がわかれば…。また、知識羅列型なので理解するための本ではない。辞書的なサブ教材として使うことになる。
④「電験三種 やさしく学ぶ」シリーズ:問題集型 おすすめ度★★★☆☆
ただの問題集といわれるくらい問題が中心の本。解説がほぼないと考えて良い。といいつつ、私はこれと不動先生の講義で学習した。電力はそこそこまとまっていたが、機械はシリーズの特徴のせいか説明が簡潔すぎて意味がわからなかった。
「誰かが講義をする前提」でつくられているのかもしれない。このシリーズは、昔の本を再編成した書籍らしくそこそこ歴史がある。
⑤「電験3種超入門」シリーズ:理解型 おすすめ度★★★★☆(理解の辞書として)
理解型の参考書。本書の最大の特徴は、参考書とは思えない下品な「う⚪こ」などのジョークが散りばめられていること。問題は一問もはいっていないので、別に問題集を買う必要がある。実は初心者向けでかなり丁寧に記述されている。
はじめに本屋で立ち読みすると二段組で文字がびっしりと詰まっていて驚くと思う。
ボリュームがすごいので、はじめから順に読むのは現実的ではなく、「他の参考書でわからなかった部分」や「苦手な分野」を読むことになる。
なお、ほぼ毎年改定されるのでどんどんパワーアップしている参考書。小さい本屋さんには売っていないのと、大きな本屋さんでも売れたあとなかなか補充されないので買うときはAmazonで買うこと。
⑥「電験三種合格一直線」シリーズ:理解型 おすすめ度★★★★☆(超上級者向け)
理解型の書籍。記載は簡潔かつ高度すぎるためあまり売れていない。電験三種合格一直線どころか、電験三種の壁をぶち抜いて電験二種にも余裕で対応できる内容。
初心者はもちろんはじめの一冊に選ぶべきではない。サブ教材に選ぶのはOK。